「seldom」「rarely」「hardly」「scarcely」のいずれも「めったに~ない」「ほとんど~ない」といった否定的な意味合いを持ちますが、意味や使い方には微妙な違いがあります。
いわゆる「準否定語(否定に近い意味の副詞)」と呼ばれる、それらについて、ニュアンスや使い分けのポイントを分かりやすく解説します。例文も交えながら、ネイティブがどのように使っているのか、しっかり確認していきましょう。
seldom:やや形式的で「めったに〜ない」
「seldom」は「めったに〜しない」という意味で、頻度の低さを表します。
少しフォーマルで文語的な印象があり、日常会話ではやや堅く感じられることがありますが、文章ではよく使われます。
意味:「めったに〜ない(rarely と近い意味)」
語順:頻度副詞なので、動詞の前(be動詞の後)に置かれます。
例文はこちら。
I seldom eat fast food.
(私はめったにファストフードを食べません。)
She is seldom late for work.
(彼女が仕事に遅れることはめったにありません。)
ポイントは、「seldom」は完全な否定ではなく、「ゼロではないが極めてまれ」というニュアンス。会話で使うと少し固く聞こえることも。
rarely:日常でも使える「めったに〜ない」
「rarely」は「seldom」とほぼ同じ意味ですが、よりカジュアルで口語でもよく使われます。どちらかといえば「seldom」より自然に会話に溶け込む語です。
意味:「めったに〜ない」
語順:動詞の前(be動詞の後)
例文はこちら。
We rarely watch TV these days.
(最近はテレビをほとんど見ません。)
He is rarely in a bad mood.
(彼が不機嫌になることはほとんどありません。)
ポイントは「rarely」はseldomより日常的で、感覚的な頻度はseldomとほぼ同じ。違いは文体や使用場面といったところです。。
hardly:ほとんど〜ない(程度が極めて小さい)
「hardly」は「ほとんど〜ない」と、ほぼゼロに近い程度を表します。頻度というよりは「程度」「量」「状態」などが非常に小さいことを強調します。
意味:「ほとんど〜ない(量・程度)」
語順:動詞の前(be動詞の後)
例文はこちら。
I can hardly hear you.
(ほとんど聞こえません。)
She hardly eats anything in the morning.
(彼女は朝、ほとんど何も食べません。)
ポイントは「程度がゼロに近い」ことを表現し、「ほとんど~ない」と訳すときにしっくりくると思います。「can hardly(ほとんど〜できない)」という形で使われるケースが比較的よくあります。
scarcely:文語的で「ほとんど〜ない」
「scarcely」も「hardly」と非常に近い意味ですが、やや文語的・フォーマルな響きがあります。ニュースや論文などで目にすることが多いです。
意味:「ほとんど〜ない(形式的な表現)」
語順:動詞の前(be動詞の後)
例文はこちら。
There was scarcely any food left.
(食べ物はほとんど残っていませんでした。)
He scarcely said a word during the meeting.
(彼は会議中、ほとんど何も話しませんでした。)
ポイントは「hardly」とほぼ同じ意味だが、よりフォーマルな点と、文語的なため、会話よりも書き言葉で使われることが多い点です。
seldom, rarely, hardly, scarcelyの違いを比較表で整理
seldom, rarely, hardly, scarcelyの違いをまとめるとこちらの表のようになります。
単語 | 意味 | 主な違い | 使用場面 |
---|---|---|---|
seldom | めったに〜ない(頻度) | やや形式的 | 書き言葉向き |
rarely | めったに〜ない(頻度) | 口語でも使いやすい | 会話・文章両方 |
hardly | ほとんど〜ない(程度) | ほぼゼロに近い | 会話で自然 |
scarcely | ほとんど〜ない(程度) | 文語的で堅い印象 | 書き言葉向き |
まとめ:感覚と文体で使い分けよう
「seldom」「rarely」は頻度、「hardly」「scarcely」は程度を表す言葉ですが、それぞれの語感と使用頻度には微妙な違いがあります。
口語では「rarely」や「hardly」が自然に使われやすく、書き言葉では「seldom」や「scarcely」が好まれます。
最後に、それぞれの単語を使った簡単な例文を復習しておきましょう。
- I rarely drink coffee.(私はめったにコーヒーを飲みません。)
- I seldom travel abroad.(私はあまり海外旅行に行きません。)
- I hardly slept last night.(昨夜はほとんど眠れませんでした。)
- There was scarcely enough time.(ほとんど時間がありませんでした。)
これらの表現を使いこなせるようになると、英語での表現力が一段とアップします。
頻度と程度、文体の違いに注意して、適切な副詞を選びましょう。英語力向上の近道は、こうした微妙なニュアンスの違いを理解することにあります。
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