英語で「秋」を表す言葉には「fall」と「autumn」の2つがあります。結論から言うと、fall はアメリカ英語で、autumnはイギリス英語というのが簡単な違いです。
「どちらを使えばいいの?」「違いはあるの?」と迷うこともあるかもしれませんが、どちらでも通じますので、どっちを使ってもOKです。
この記事では、アメリカやイギリス以外の国ではどうなのか? という点も交えて、簡単な例文とともに解説します。
アメリカ英語では fall、イギリス英語では autumn
最大の違いは、アメリカ英語とイギリス英語の使い分けです。
アメリカ英語(American English)では fall を使うのが一般的
イギリス英語(British English)では autumn を使うのが一般的
たとえば、アメリカの教科書やニュース、日常会話では「fall」が自然に使われます。一方で、イギリスでは「autumn」が一般的です。
例文(アメリカ英語)
Fall is my favorite season.
(秋は私の一番好きな季節です。)The leaves change color in the fall.
(秋になると葉の色が変わります。)
例文(イギリス英語)
Autumn is a beautiful time of year.
(秋は一年の中で美しい時期です。)It often rains in autumn.
(秋にはよく雨が降ります。)
オーストラリアやカナダ、その他の国ではfall? autumn?
オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、アイルランドといった英語ネイティブと言える国ではどうでしょうか?
他にも、南アフリカやインド、フィリピン、ナイジェリアなど、公用語になっているところでは?
表でまとめるとこんな感じになっています。
国・地域 | よく使う語 | 備考 |
---|---|---|
オーストラリア🇦🇺 | autumn | fallはまれ |
ニュージーランド🇳🇿 | autumn | fallはまれ |
カナダ🇨🇦 | autumn, fall | autumnもfallも一定数使われる |
アイルランド 🇮🇪 | autumn | イギリス英語圏、fall は詩的または文学的 |
南アフリカ 🇿🇦 | autumn | イギリス英語が基準、fall は非標準 |
ナイジェリア 🇳🇬 | autumn | イギリス英語圏。そもそも秋に該当する季節が少ない |
フィリピン 🇵🇭 | fall(教育上) | アメリカ英語ベース。”教育上”とあるのは秋の概念になじみが薄いため |
インド🇮🇳 | autumn | 植民地時代からイギリス英語ベースの教育制度 |
シンガポール🇸🇬 | autumn | 公用語として英語を採用し、イギリス英語に準拠 |
といったように、ほぼイギリス英語の autumn となっています。
いろんな国をベースに考えると、fall を使うほうが少なくなります。fallを使うのはアメリカの影響が他の国よりも強いカナダとフィリピンくらいですね。
fall の由来と意味の広がり
「fall」はもともと「fall of the leaf(葉が落ちる時期)」という表現から生まれた言葉です。文字どおり「落ちる(fall)」という動詞から派生して、季節を表す名詞になりました。アメリカではこの言葉が定着して、現在では「fall」とだけで「秋」を指します。
autumn の由来はラテン語
「autumn」はラテン語の「autumnus(オータムヌス)」が語源です。古代ローマの文書にも記録があり、歴史ある単語です。イギリスでは、17世紀以降に「autumn」が一般的になり、現在も使われ続けています。
ネイティブはどちらを使っている?
ネイティブスピーカーは自分の出身国に応じて自然に使い分けています。
アメリカ人:「fall」
イギリス人、オーストラリア人:「autumn」
もしどちらを使うか迷ったら、アメリカ英語が基本になっている英語教材なら「fall」を使う、イギリス英語がベースの教材や環境なら「autumn」を使うと良いでしょう。
基本的に、どちらでも通じるので、あまり気にしなくていいとも言えます。
ビジネス英語やTOEICではどちらを使えばいい?
TOEICのテストやビジネスメールなどでは、基本的にアメリカ英語が使われる傾向が強いため、「fall」を覚えておけば十分です。ただし、イギリス英語に触れる機会がある人や、イギリス系の映画や書籍が好きな人は「autumn」を使ってみるのもいいと思います。
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